慰謝料請求しないほうがいいケースとは? 弁護士を挟んだ際の流れを紹介

2025年12月22日
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慰謝料請求しないほうがいいケースとは? 弁護士を挟んだ際の流れを紹介

厚生労働省が公表している「令和6年人口動態統計」によると、令和6年の熊本県内での離婚件数は、2781件でした。そのうち熊本市内の離婚件数は1285件でしたので、熊本県内の半数近くの離婚は熊本市内で発生していることになります。

配偶者が不倫をしていたり、配偶者からDVを受けていたりする場合には、離婚時に慰謝料を請求できる可能性があります。しかし、慰謝料請求が可能なケースであっても、状況に応じてあえて慰謝料請求をせずに離婚を進めたほうがよいこともあります。

本コラムでは、離婚時に慰謝料請求しないほうがいい場合などについて、ベリーベスト法律事務所 熊本オフィスの弁護士が解説します。


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1、慰謝料請求しないほうがいいケースとその理由

慰謝料請求をしないほうがいいケースとしては、以下のような場合が挙げられます。

  1. (1)結婚生活を優先させたい場合

    配偶者の不倫が発覚したとしても、すぐには離婚をせずに、関係修復を目指すケースもあります。
    そのようなケースでは、配偶者に対する慰謝料請求をしても家計が共通であれば意味がないため、慰謝料請求はしないほうがいいでしょう。

    ただし、配偶者に慰謝料請求をしない場合でも配偶者と肉体関係のあった不倫相手に対して不倫慰謝料請求することは検討してもいいでしょう。
    なお、慰謝料の適切な金額が仮に200万円の場合、どちらか一方から200万円を受け取った場合には、もう一方からさらに慰謝料を受け取ることはできません。

  2. (2)自分も不貞行為をしていた場合

    配偶者だけでなく自分も不貞行為をしていた場合には、慰謝料請求をしないほうがいいでしょう。
    配偶者に対して慰謝料請求が認められてとしても、配偶者からの慰謝料請求も同時に認められてしまえば、結局は双方の慰謝料が相殺されてしまい、慰謝料をもらうことができなくなるためです。

    慰謝料請求のために時間と費用をかけて争っても、それに見合う成果が得られないのであれば、慰謝料請求する意味はないといえます。

  3. (3)慰謝料請求するための証拠が不十分な場合

    配偶者が不倫をしている疑いがあったとしても、それを立証するための十分な証拠がない場合には、慰謝料請求をしないほうがよいといえます。

    配偶者が不倫関係を認めてくれればよいですが、認めない場合は慰謝料請求をする側で不倫を立証する必要があります。
    十分な証拠がない状態では、裁判をしても慰謝料の支払いが認められる可能性は低いため、慰謝料を請求しないほうがいいといえるのです。
    それでも請求を行いたいという場合には、証拠集めの前に弁護士に相談しておくようにしましょう。

  4. (4)早期に離婚を成立させたい場合

    慰謝料を請求すると支払い義務の有無や金額で争いが生じて、解決までに長い時間がかかることがあります。
    話し合いで解決できなければ、離婚調停、離婚訴訟という法的手続きが必要になるため、時間とお金がかかってしまいます。

    少しでも早く離婚を成立させたいという事情がある場合には、慰謝料請求が可能であってもあえて慰謝料請求をしないほうがいい、ということもあります。

  5. (5)配偶者や不倫相手から危害を加えられる可能性がある場合

    配偶者からDVを受けていたりした場合には、慰謝料請求をすること配偶者や不倫相手から暴力や嫌がらせを受ける可能性があります。

    不倫やDVがあったとしても証拠によって立証できなければ、裁判を起こしたとしても慰謝料を取るのは難しいため危害を受ける危険性だけが残ってしまいます。

    弁護士に相談することでリスクを回避したり、慰謝料請求の見通しについてアドバイスを受けられるため、ご自身で判断するのではなくまずは弁護士へ相談することをおすすめします。

2、慰謝料請求をできないケースもある

離婚時に慰謝料請求をしなかったとしても、時効により慰謝料請求権が消滅する前であれば、離婚後に慰謝料請求をすることも可能です。

ただし、離婚時に離婚協議書などを作成し、そこで清算条項を定めていた場合には、離婚後の慰謝料請求はできません。
清算条項とは、紛争やトラブルの不仕返しを防ぐために設けられる条項のひとつであり、離婚協議書で定めた以下の債権債務がないことを確認するものです。
清算条項を設ける際には、慰謝料請求権も失うことを理解したうえで、離婚協議書へのサインを行うようにしましょう。

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3、慰謝料請求しない場合に弁護士を挟むメリット

慰謝料請求をしない場合でも、離婚について弁護士を挟むことには以下のようなメリットがあります。

  1. (1)適切な離婚条件について専門家からアドバイスを受けられる

    慰謝料請求をしない場合であっても、離婚時には、親権、養育費、財産分与、年金分割などさまざまな条件を定める必要があります。

    適切な離婚条件を定めるためには、各条件の決め方から離婚条件の相場などを押さえておく必要があり、専門的知識が不可欠となります。
    弁護士に依頼すれば、適切な離婚条件を定めるために必要なアドバイスを受けることができます。

  2. (2)弁護士に交渉を一任して精神的な負担を軽減できる

    当事者同士で離婚の話し合いを進めていると、どうしても感情的になってしまい、口論などが生じてしまいます。
    そのような状態で、離婚するかどうかや離婚条件についての取り決めをしなければならないのは、精神的にも大きな負担といえるでしょう。

    弁護士に依頼すれば相手との交渉を一任できるため、顔を合わせて話し合いをする必要がなく、精神的な負担を大幅に軽減することができます。
    本人同士の話し合いで解決できない場合や自分だけで話し合いをするのが不安だという方は、まずは弁護士にご相談ください。

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4、慰謝料請求しない場合に弁護士に依頼して離婚する流れ

慰謝料請求しない場合に弁護士を挟んで離婚を進めるケースでは、以下のような流れで進んでいきます。

  1. (1)弁護士による状況分析

    離婚問題を弁護士に相談すると、弁護士は、離婚が可能であるか、離婚の際にどのような請求が可能であるかなどの状況分析を行います。

    相手との話し合いで離婚が成立すればよいですが、相手が離婚に応じてくれない場合には、法定離婚事由の有無が重要となります。
    交渉を開始する前にこのような状況分析をしっかりと行っておくことで、有利に話し合いを進めることができるようになります。

  2. (2)弁護士のアドバイスをもとに証拠を集める

    慰謝料請求をしない事案であっても、法定離婚事由を基礎づける証拠(不倫、DV、モラハラなど)を集める必要があります。
    また、財産分与を求める場合には、共有財産に関する証拠も必要となります。

    相手に離婚請求をした後では、これらの証拠を隠滅されるおそれがあるため、まずは証拠収集をしてから話し合いに臨む必要があります。
    弁護士に依頼すれば、弁護士会照会という特別な調査方法を利用することも可能です。

  3. (3)弁護士が相手方と話し合う

    離婚に関する必要な証拠が集まったら、相手方と離婚に関する話し合いを行います。

    相手との話し合いはすべて弁護士に任せられるので、依頼者が配偶者と直接顔を合わせて話し合いをする必要はありません。

  4. (4)離婚協議書の取り交わし

    相手との話し合いで離婚や離婚条件についての合意に至った場合には、離婚協議書の取り交わしを行い、離婚成立となります。

    離婚条件に、財産分与や養育費などの金銭債務の履行が含まれている場合には、公正証書の作成も弁護士がサポートできます。
    強制執行認諾文言付き公正証書にしておくことにより、相手が万が一債務の履行を怠ったとしても、裁判をすることなく直ちに相手の財産を差し押さえることが可能になります。

  5. (5)離婚調停や離婚訴訟

    相手との話し合いで解決できない場合には、家庭裁判所に離婚調停の申立てを行います。
    弁護士に依頼をすれば、申立書類の作成から調停期日への同行までサポートしてもらえるので、初めての調停でも安心して臨むことができるでしょう。

    調停でも合意に至らない場合には、最終的に、家庭裁判所に離婚訴訟を提起して解決を図ることになります。
    訴訟は非常に専門的な手続きとなりますので、弁護士のサポートが不可欠といえます。

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5、まとめ

配偶者が不倫をしていたり、配偶者からDVを受けていたりするような場合には、離婚の際に慰謝料を請求することが一般的です。
しかし、夫婦の状況によっては、あえて慰謝料請求をしないほうがいいケースもあります。
慰謝料請求をするかどうかは、ご自身の状況に応じて判断することが大切です。

配偶者への慰謝料請求でお悩みの方や、慰謝料請求について詳しく知りたいという方は、ベリーベスト法律事務所 熊本オフィスまでお気軽にご相談ください。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています