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根抵当権がついた不動産を相続する際の注意点を弁護士が解説

2021年07月19日
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根抵当権がついた不動産を相続する際の注意点を弁護士が解説

熊本国税局が公表している「令和元年分相続税の申告事績の概要」によると、令和元年度における熊本県の被相続人数(死亡者数)は2万1670人でした。そのうち、相続税の申告書の提出にかかる被相続人数は、877人でした。同年度の相続財産の金額の構成比をみると、土地や家屋といった不動産が全体の4割以上を占めていますので、不動産が含まれる相続事案については、遺産総額が高額になる傾向にあるといえます。

相続をした不動産に根抵当権が設定されていたという場合には、相続をした方の状況に応じて特別な手続きをとらなければなりません。「根抵当権」と「抵当権」は言葉としては似ていますが、担保権としての特徴や性質は抵当権とは大きく異なります。根抵当権の設定された不動産を相続する際には、根抵当権についての正確な知識と理解が不可欠となるのです。

本コラムでは、根抵当権がついた不動産を相続する際の注意点について、ベリーベスト法律事務所 熊本オフィスの弁護士が解説いたします。

1、根抵当権とは?抵当権との違いを解説

「抵当権」という言葉は聞いたことがあっても、「根抵当権」という言葉には馴染みのない方も多いでしょう。
まず、根抵当権についての基礎知識や根抵当権と抵当権の違いなどについて解説します。

  1. (1)根抵当権とは

    根抵当権については、民法398条の2に規定があり、同条によると「一定の範囲に属する不特定の債権を極度額の限度において担保する」ものであると規定されています。このように、根抵当権は、特定の債権を担保とするものではないため、あらかじめ決められた限度額(極度額)を上限として、何度でも繰り返し融資を受けることができるという特徴があります。

    たとえば、A社が金融機関から融資を受ける際に、極度額1億円の根抵当権を設定して、2000万円の融資を受けたとします。根抵当権を設定しておくことで、A社としては、1億円の範囲内であれば、何度でも繰り返し、融資を受けることができるようになります。また、当初の2000万円を返済したとしても、根抵当権が消滅することはないのです。

    追加の融資が必要になる度に抵当権の設定を行っていたのでは、手間も費用もかかってしまうので、事業運営という観点からは効率的ではありません。仮に、当初の融資以降に別の抵当権が設定されてしまうと、新たに融資を申し込む際に当該不動産の担保価値が低くなってしまい、新規の融資が認められないという可能性もあるのです。
    そのため、根抵当権は、継続的取引を前提とした中小企業経営者の担保的な役割があるといえます。

  2. (2)根抵当権と抵当権の違い

    根抵当権は、不特定の債権を対象として不動産に担保を設定するものですが、抵当権には、特定の債権を対象として不動産に担保を設定するという違いがあります。
    抵当権については、「住宅ローン」をイメージしてください。自宅を購入する際に、金融機関から融資を受けるにあたっては、土地と建物について担保を設定することになります。この「担保」が、抵当権なのです。

    抵当権は特定の債権を対象とするものであるため、途中でリフォームの必要が生じて、追加の借り入れが必要になったとしても、当初の抵当権を流用して融資を受けることができません。この場合には、新たに抵当権を設定して、借り入れをしなければならないのです。その結果、当初の住宅ローンが第1順位の抵当権、リフォームローンが第2順位の抵当権となります。そして、その後に住宅ローンを完済したときには、当初の抵当権は抹消されます。

    これに対して、根抵当権については、当初設定した限度額の範囲内であれば、当初の根抵当権を流用して借り入れを繰り返すことができ、当初の借入額を返済したとしても根抵当権自体は消滅しない、という違いがあるのです

    このような性質の違いから、根抵当権については、個人が利用することは少なく、法人や事業者が主に利用する担保権であるといえます。

2、相続した不動産の根抵当権を維持する必要がない場合

相続した不動産の中に根抵当権が設定されているものが含まれているとき、被相続人の事業を引き継いでいく場合には、根抵当権を維持したままでよいでしょう。しかし、事業を継続する予定がない方が根抵当権を残しておくことにメリットはありません。

以下では、根抵当権を維持する必要がない場合の手段について、解説いたします。

  1. (1)相続放棄

    相続放棄とは、被相続人のプラスの財産とマイナスの財産を含めたすべての権利と義務を承継しない手続きのことをいいます。相続放棄をすることによって、当該相続人は「最初から相続人でなかった」ということになりますので、すべての財産を相続する権利を失うのです。

    このような相続放棄を行うケースとしては、被相続人のプラスの財産とマイナスの財産を比較したときに、マイナスの財産が上回っている、という場合があります。このようなケースでは、相続人は遺産を上回る借金を返済していかなければならず、相続するメリットが少ないため、相続放棄を検討することになるのです。

    根抵当権が設定された不動産を所有しているということは、事業用の借り入れも存在していると考えられますので、被相続人の死亡後は、プラスの財産だけでなく、マイナスの財産についても十分に調査する必要があります。そのうえで、相続した方がよいのか、相続放棄をした方がよいのかを判断するべきでしょう。

    なお、相続放棄を行うためには、相続の開始があったことを知ったときから3か月以内に、家庭裁判所に所定の手続きを行わなければなりません。3か月経過後の相続放棄については、原則として認められないので、注意が必要です

    借金の調査に時間がかかる場合、家庭裁判所に期間の伸長を申し立てることが考えられますが、3か月経過前に家庭裁判所に認めてもらう必要がありますので、早期に行動を起こす必要があります。

  2. (2)元本確定・根抵当権の抹消

    相続放棄ではなく相続することを選択したときには、根抵当権の設定されている不動産を処理する必要が生じます。被相続人の事業を継続する予定がないということであれば、根抵当権を抹消するという手続きをとることになるでしょう。

    ただし、抵当権と異なり根抵当権については、現在の借入額をすべて返済したとしても、それだけでは根抵当権は抹消することができません。根抵当権の抹消のためには、以下のような手続きをとる必要があるのです。

    ① 元本確定
    根抵当権は、一定の範囲に属する不特定の債権を担保するものであるため、そのままでは、具体的な債権額が確定していません。そこで、まずは、債権額を確定させるために、元本の確定をする必要があるのです。
    相続を原因とする場合、相続開始後6か月以内に債権者との合意の登記をしなかったときには、相続開始のときに元本が確定されたものとみなされます(民法398条の8第4項)。そのため、被相続人が亡くなってから、金融機関などの債権者と話し合いをして、事業を継続せずに、元本の確定を選択することになった場合には、特段の手続きを要することなく、6か月の経過によって元本が確定することになるのです。

    ② 根抵当権の抹消
    元本の確定後、確定した債権額を弁済することができれば、根抵当権の抹消が可能になります。根抵当権を抹消したときには、その旨の登記をする必要がありますので、忘れずに行うようにしましょう。

3、相続した不動産の根抵当権を維持する方法とは

被相続人の事業を相続人が引き継ぐときには、事業資金を繰り返し借り入れすることができる根抵当権は残しておくと便利です。
相続後に必要な手続きをとらないと、根抵当権は元本が確定してしまい、これまでのように繰り返し融資を受けるということができなくなってしまいます
根抵当権をそのまま維持するためには、相続開始後6か月以内に、以下の手続きをとる必要があります。

① 相続人への所有権移転登記
相続によって不動産の所有者が変更になったときには、被相続人から相続人への所有権移転登記を行う必要があります。これを「相続登記」と呼びます。
相続登記にあたっては、まずは、誰が当該不動産を取得するかを相続人全員で話しあい、遺産分割協議によって決めなければなりません。すぐには決められないというときには、相続人全員の共有登記としたうえで、以下の手続きをすすめましょう。

② 相続人の全員を債務者とする根抵当権の債務者変更登記
次に、根抵当権の債務者を被相続人から、相続人全員に変更をするという債務者変更登記を行います。債権者との合意により指定債務者として相続人の一人を選んだとしても、一旦は相続人の全員を債務者とする債務者変更登記をすることになるのです。

③ 指定債務者の合意の登記
最後の手続きとして、事業を引き継ぐ相続人を債務者にするという「指定債務者」の合意の登記を行います。これによって、相続開始後は、指定債務者と根抵当権者との間の債務を担保することになり、他の相続人は、相続開始までの相続債務を担保することで足りるようになるのです。

4、根抵当権を相続する際の注意点

根抵当権を相続するときには、通常の抵当権と異なり、以下の点に注意する必要があります。

  1. (1)根抵当権設定者と債務者が異なる場合

    根抵当権設定者と債務者が同一であるときには、上記のとおり、相続開始から6か月が経過することによって、自動的に元本が確定します。しかし、根抵当権設定者と債務者が異なる場合には、根抵当権設定者が死亡したとしても、相続による元本確定の規定は適用されません。なぜなら、民法398条の8第2項では、「債務者」の死亡の場合が規定されているからです。
    この場合には、別途元本確定請求を行うなどして、元本を確定させなければ、根抵当権の抹消をすることはできないのです。

  2. (2)期限を徒過しないように注意

    根抵当権が設定されている不動産を相続する際には、相続放棄をするかどうかは、相続開始があったことを知ったときから3か月以内にしなければなりません。また、根抵当権を維持するときには、相続開始から6か月以内に登記をしなければならないのです。
    このように、根抵当権が絡む相続についてはいくつか期限が設定されていますので、その期限を徒過しないように注意をすることが重要になるのです。

5、まとめ

根抵当権が設定された不動産を相続するときには、通常の相続とは異なる配慮が必要になります。被相続人の事業を継続するにしても、継続しないにしても、いずれの場合においても特別な手続きが必要になります。そのため、相続が発生したときには、法律の専門家である弁護士にまで早めに相談することをおすすめします
根抵当権が設定された不動産のことでお悩みの方は、ぜひ、ベリーベスト法律事務所 熊本オフィスにまでご相談ください。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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